2回表裏もお互い0点で進み、試合が動いたのは6回の裏。私たちの攻撃の時だった




ツーアウト、ランナー三塁の得点のチャンス。ここでバッターは9番の丈。




緊張してるかなと思い、丈を見てみると笑ってた。すごく楽しそうなイキイキした顔でバッターボックスに入っていく。




「丈ー!いっぽーん!」
「しっかり振ってけよ!!」




先輩たちの必死な声にこたえるかのように、丈はバットを振った。




カキーン




ボールがバットを弾く音がしたと同時に、ベンチが騒がしくなる。




「いけっ!!回れ回れ!!!」