あーあ
雨止まねーかな!

水溜りと言うより道全体が水に浸かっているようなそれを蹴り上げる

きゃ!!

蹴り上げた先にいた女の子に水がかかってしまった。

うわ!ごめん!
君がいたの気づかなくて!

いいの
雨止まなくてうざったくなる気持ちもわかるから

彼女は困ったように笑いながら
そう言う。

本当ごめん!
これよかったら使って!
綺麗なやつだから

タオルを差し出した俺にありがとうとお礼を言って水のかかった制服を拭いていく

名前聞いても?

私?私はひまり
橘ひまり
貴方は?

俺は青田空。
よろしく。

ひまりちゃんはニコッと笑うと

私は太陽より雨の方が好きなの。
ちょっと変わってるかもしれないけど。
だけど今日はもう晴れそうだから残念。

晴れる?
だってこんな雲って雨降ってるのに
ニュースでだって、

空を見上げまたひまりちゃんに視線を移した時には
ひまりちゃんはいなくなっていた。