「………………俺。
桜じゃないけど。
何度か偶然を期待して、図書館を訪れてたんだ。
女々しいだろう?
春人には『そんなことする時間が勿体ない!
早く告白しろ!!』ってせっつかれるし。
玲奈ちゃんと夏苗ちゃんには
『二人して焦れったい!!』と文句を言われてた。
だけど……………。
時が流れれば流れる程
自分から動くことが出来なくて………。」

分かる。

心の中にある『好き』って気持ちは……

変わらないし…………

むしろ、大きくなった気がするのに。

それ以上に、不安が大きくなっていた。

そう思うと

今、こうして先生の隣に座って。

左手の薬指に嵌めてもらったことは…………

奇跡としか言い様がないんだね。

誤解が解けて。

お互いが好きだった気持ちを伝えられたのは………

玲奈ちゃんや夏苗ちゃん。

春人さん達が………

優しく見守っていてくれたから。