「玲奈ちゃんは………
婚約者がいて………自分から好きになることを諦めていただろう。
教師と生徒の恋を、応援したところで………
年の差や家柄の差で、上手くいかないってこともあるから
それでも二人が一緒に居たいって思わないと
応援出来なかったって言ってたよ。
桜の気持ちが真剣だったからこそ……
応援出来なかったって。」

「…………………………玲奈ちゃん。」

玲奈ちゃんの気持ちを知って

自分のことばかりな私に落ち込んでいたら。

ポンポンと頭を擦って。

「良い友達を見つけたね!」と言って

久しぶりに、先生の笑顔を見せてくれた。

「俺は…………
交換メモのやり取りのことを、思い出してた。
初めは
自分宛のメモに驚いて、大きな目を、もっと見開いた。
ドングリ目になった桜…………可愛いかったな。
それからは、段々メモを楽しみにしてくれて
筆箱片手に、顔を覗かせるようになっていったんだよなぁ。
メモの最後には必ず
『体調に気をつけて下さいね!』と書いてあった。
俺が喉が痛いと、のど飴。
暑い日には、熱中症対策の飴………と
言葉だけではなくて
ホントに心配してくれているのが伝わった。
もちろん、二つ目のキャンディは…………
『まるくて、ちぃちゃくて、さんかく』なイチゴの飴だけどね。
あれをよく口に入れてるのを見かけたし
旅行先でも、差し出されたよね。」って。

確かにそう。

甘酸っぱいイチゴミルクは

どんな体調でも美味しいと感じるから

いつもつけてたの。