「……なんでだろう」

「何がだ?」

「!さ、榊……っ?」



茫然と呟いたひとりごとに声が返ってくる


……またこのパターン…


最近、この登場が恒例化してる気がする


一体いつからそこにいたのか

右隣に榊の姿

目を見張る私をよそに
榊は社に供えた花束を見つめている


「……本当に神出鬼没ですね」

「そうか?」


不思議そうに言いながらも
榊の視線はずっと、供えた花束から離れない


私は立ち上がって
木陰に置いておいたフラワーバックから
供えたものとは別の花束を取り出す


依然として、供えた花束を
じっと見つめてる榊の前に差し出した


ようやく私の方を見た榊に
「どうぞ」と少しぶっきらぼうに花束を押し付ける



榊はきょとんとした表情