翌日の夕方

お店から、まっすぐ山へやってきた


榊はいない


……用がある時に限っていないんだよなぁ


出鼻を挫かれた感は否めないけど
約束をしていたわけじゃないから仕方ない


先に……


木陰にしゃがみこんで
借りてきたフラワーバックから花束を取り出す

それを社の前に供えて、手を合わせる



ここに通いつめて、早いものでもう1ヶ月



素人の修理だから、やっぱり粗さは目立つ

それでも最初の頃と比べれば
かなり綺麗になったと思う



…………後、もうすぐで……



閉じていた目をゆっくりと開き
じっと社を見つめる



………

………………どうして?



社を直すって目的が
もうすぐ達成するって言うのに




嬉しさより勝るのが不安だなんて