私だって、ついこの間まで
この場所のことを忘れていた

だけど

こうしてまた、ここを訪れるようになって
この場所に愛着を抱くようになった


「…」


神様なんて、別に特別信じてるわけじゃない


ただ、もしそういう存在が確かにあって

こういうものが……

社がその依り代になるとしたら


壊れたまま

誰にも見向きもされないまま


いずれ、そこにいた証さえもなくなって

忘れられていく気持ちを想像したら



…………苦しくて、痛い



自分がそうだったら、耐えられない


……だけど、そう思っていても


私も、いずれまた
この場所のことを忘れてしまうかもしれない



だから、せめて



そこにいた証を

そこにいるという証を

目に見える形で残しておきたい



自分が覚えていられる今の内に