……道すがら、痛まないようにかな


複雑な構造をしたこれは
専用のフラワーバックなんだと思う


「これが地図ね。複雑な道じゃないし
佐奈ちゃんは、この町に
住んでるみたいだからすぐ分かるよ」


「じゃあ、頼んだよ」と
にっこり笑うおばあさんに

私は緊張しながら頷いて

地図とフラワーバックを受け取って
見送ってくれるおばあさんを背に、店を出た




――…



……えっと、場所は…



店先で、もらった地図と
送り先の詳細が記された
年季の入った手帳に目を通す


商店街の外れの住宅街の……



…………あそこか



記憶の中に覚えのある場所を見つける



しばらく外に出てなかったけど
そんなに町並みも景観も変わってない



……これなら、大丈夫かな



フラワーバックを抱え直して、歩き始めた