「……十数年ぶりって
家族とかに呼ばれないんですか?」

「家族はいない。友人は皆
今は遠い所にいるから中々会えない
今現在、俺はひとりだ」



……笑ってるけど


どこか寂しそうに見えるのは
きっと気のせいじゃないだろう


…………誰だって、孤独はつらい



「……ひとりで寂しくはないんですか」



聞かなくても分かる質問

だけど、聞かずにはいられなかった


問いかけると、榊は優しく微笑む



「今は、お前がいるから寂しくはない」

「……」



愚問だと言わんばかりの表情に

胸の中のもやもやが一層大きくなって


気持ちが悪くなる



「……あなたは、何なんですか」



同時に
収まっていた苛立ちが、また湧いてきて
口調も刺々しくなる


いきなり現れて


勝手に助けて


殺してやるって言ってきたくせに
変に優しくしてきたり