私のかみさま

目が覚めた時、あたりは茜色に染まっていた



「…」



柔らかいような固いような何かに
頭を乗せている私



「起きたか?」



ひょいっと覗きこんできたのは榊



「…!」



ぼんやりと、その珍しい翡翠色の瞳を眺めて
それから、意識が覚醒した私は


ばっと、勢いよく起き上がる


……
…………何て事だろう


あろうことか
正体不明の不審者の膝の上で熟睡…


ありえない


無防備に体を預け
寝顔を晒した事実に愕然としながらも


…!そんなことより…っ



「作業……っ」



私の意識はそちらに向かう


本当なら、すでに半分は
終わっていたはずの賽銭箱の作製

熟睡してしまったせいで、全然進んでいなかった


慌てて、工具を手に取る

そんな私から
榊はいとも簡単に工具を取り上げた



「お前、今日は作業するな」



言い聞かせるような静かな声は
耳に届いてはいなかった


ただただ、私は焦燥感に襲われていた



「……早く、直さないと……」




直さないと




死ねない