いつの間にか大切な存在になっていた

同じように幸せを願った

だけど、その心から
それだけは拭うことは出来なかった



置いていかれる寂しさ


忘れられていく悲しさ


寄り添ってくれる存在がいなくなる辛さ



たくさん幸福を与えてもらったのに


自分はその半分も返せなかったと


遺せるのはそればかりだと


おじいちゃんは悲しそうに呟いた




『…そんなことないよ』


『……かみさまは、
おじいちゃんとであえて
よかったっていってたもん』



悲しそうなおじいちゃんを見たら
私も悲しくなって

それでも
なんとか、おじいちゃんを励まそうと

半べそをかきながら
そう言った事を覚えてる


その言葉は、実際に榊が言っていた言葉


伝えれば
おじいちゃんは『…そうか』
と、いつものように優しく笑った