『誰かを癒すことの出来るひとだった
神の力とか、そんなもの関係なく』



存在が救いになっていた



『他愛ない会話や、何気ない行動で
相手の心に、光を与えるひとだった』



話すことが楽しかった

会える日が待ち遠しくて



『あのひとの隣にいるのが
いつしか、当たり前になった』



一緒にいられる時間が

なによりも、かけがえのないものだった



『寂しさを埋めてもらった』


『優しさを、嬉しさを
あたたかさを与えてもらった』



抱えきれない程の幸福を



『けれど、私はあのひとの寂しさを
拭うことは出来なかった』



『あのひとは解っている。知っている
どれ程、望もうと、拒もうと
ずっと一緒にはいられないこと』



『別れはいずれやってくること
そして必ず、自分は見送る立場になることを』



『受け入れているからこそ笑う』




『けど、寂しそうに』