――……



「…」



布団の上で寝返りを打つ


目を閉じるだけで
昔の記憶が、次々脳裏に浮かんでくる


蓋をしていただけ
記憶は思いのほか、鮮明だった



「……懐かしいと、思うわけだよ」



思い出せないんじゃない

思い出そうとしなかったんだ


小さな頃の記憶


その中にいる榊と、今の榊は

顔も声も、中身も何ひとつ変わっていないのに



「……人の願いを叶える
名前をたくさん持っていて、年齢があいまい……」



…。



神様だって言うなら
榊の今までの言動すべてに説明がつく


あのひとは何ひとつ嘘はついてない


姿を見た瞬間、社が家だと言った時点で

気付くべきだった

思い出すべきだった



榊があの神様だって