「…………出来た……」


呟いた言葉は、どこか現実味がない


だけど、目の前にはしっかりと
その事実が形になっている


……ようやく


ようやく終わった


社の修繕


今見ても、やっぱり所々粗い出来だと思う

でも、それでも
最初のぼろぼろの状態と比べれば
よっぽど綺麗になった


「……終わった…」


半分放心状態


社の前に座り込んで
じっと、その姿を目に焼き付ける


約束を果たせた事に、ほっと安堵する気持ち

やり遂げた事に対する、満足感と達成感


でも


それに混じって
流れ込んでくるこれはなんだろう


ざわざわと胸に広がるこれは


何が不安なのか、怖いのか


分からないから、余計に落ち着かない