……すずは、優しくて


自分が辛いことよりも先に
「誰か」が辛いことが耐えられなかった


目の前で苦しむ人を助けてあげられないことが

泣いているのを、ただ見てるだけなのが


なにもできない自分が


そんな弱い自分が、嫌で嫌で仕方なくて


だから、すずは学校を辞めた





もともと、すずは人見知りではあったけど
今ほど、ひどくはなかったそう


その一件があってから
他人(ひと)に対して猜疑心が拭えず
話をするだけでも怖くなって、怯えてしまって


誰かと話すことや、声を出すことさえ
難しくなっていったのだと言う





すずも私も、後悔してる


逃げることは悪いことじゃないし
人によっては、それが正解な時もある


無理してそこに居続けて

心や体が壊れて

その人が、その人生がぼろぼろになったとしても


他人は誰も、自分のその人生に
責任を取ってはくれないから


ただ、私達は


辛かったし、苦しかったけど


それから逃げる前に、もう少し
出来ることがあったんじゃないかって


そう思ってる