なんとなく手に取ったそれは
思いのほか
興味を惹かれるストーリーで

気づけば、すっかり読みふけっていた


……。


半分ほど読み進んだ所で、ふと現実に返る

壁にかけられた古い振り子時計を見れば
読み始めたから
もう二時間ほど経過しようとしていた


…一度、様子を見に行って見ようかな


読みかけのページに
しおりを挟んで立ち上がった



彼女の部屋は二階

階段を上がって一番最初に見える部屋



とんとん



控えめにドアを叩いて、そっとドアのぶを回す


開いたドアの先には、八畳ほどの広さの部屋

大きな本棚が目を引く
けど、それ以外は
必要最低限の家具やものしか置いてない

だけど

不思議と柔らかい雰囲気なのは

机の上や本棚の隙間、窓辺…
所々に植物や花が飾ってあるせいかな


物音を立てないように
そっと部屋の中に足を踏み入れる


よくよく見れば本棚に収まっている本も
半分くらいは植物や花に関するもの


きっと、あの子はそういうものが好きなんだろう