私のかみさま

助けたい



嫌だ、近付きたくない



泣かないで



泣きたくなる



気付いて



気付かないで



だめ



そこにいかないで




感情が一気に押し寄せて、せめぎあう



気持ち悪い



声が、感情の声が



あっちこっちで響いてうるさい



気持ち悪い







気持ち悪い



聞きたくない




お願いだから、もう……




「佐奈」


ぐいっと、両頬を掴まれ、上向かされる


不思議な色彩を放つ瞳が私を捉える


それがぼやけて見えるって事は
私は今、泣いてるの?


「大丈夫だ
お前はちゃんと自分で選んで、進んで
今ここにいる」


「似ているとは言った。けど、同じじゃない」


「あいつに同調して
過去に引っ張られる必要なんてない
進んでるのに、わざわざ戻る必要もない」