私のかみさま

「…」


何も言葉を返せなかった

榊の言葉と連動するように
頭の中に映像が流れてきて



ずっと、まとわりついて離れない記憶



読み取れなくなった感情


誰もいない教室に枯れた花


憔悴しきった横顔


遠くなっていく背中


あかりの灯らなくなった家


鈍く光る刃に肌を伝う赤


たくさんの小さな水たまり


真っ暗な中にぼんやり浮かぶ自分の足



真っ赤に染まる景色



沈んでいく夕日