ことほぎのきみへ

「……これ、亜季が作ったの?」


テーブルの上に並べられた料理の数々

その種類の多さ
クオリティーの高さに目を見張る


「うん
いろちゃんの明日の分のごはんも
作っておいたから、後で冷蔵庫見てみて」

「…うん」


日持ちするものを作ったから
急いで食べなくても大丈夫

と付け足す亜季に茫然と頷く


まともに食事を摂ってないことが
気がかりだったようで
亜季は食べやすいおかずを
たくさん作ってくれたみたい


目の前のお皿に
綺麗に盛られた美味しそうなおかずを
ぱくりと口に入れる


「……美味しい
……亜季、料理できたんだね」


それもかなりの腕前

切り方から色合い、盛付けまで全部綺麗で
その上、味も完璧


……食欲なくても、これは食べれる……


「作るの好きだよ
お母さんがあんな感じだから」

「亜季も料理上手なんだね
…今度、作り方教えて」

「ふっふっ~いいですよ~♪」


褒められたのがかなり嬉しかったのか
亜季は上機嫌で私のお茶碗にごはんを盛る


「たくさん食べちゃって~っ」

「そんなにたくさんは食べれない……」


ごはんが山盛りのお茶碗を差し出され
私は苦笑いを浮かべた



……



その後、ふたりで夕食の後片付けをして
一緒にお風呂に入って、眠りについた


亜季は眠る寸前まで
ずっとまなぶ先輩の事や
最近あった出来事を、楽しそうに話してくれて


亜季が傍にいたせいか
その日、私があの夢を視ることはなくて


亜季のその底無しの明るさと存在に


私は助けられた