ことほぎのきみへ

「ま。女子の水着姿は眼福ではあるけどな
あんたも似合ってるぜ」


隣に立つゆうりの姿を上から下まで眺めたあと

悟先輩はさらりと事も無げに
ゆうりに褒め言葉を向けた

そんなふうに言ってもらえるとは
露ほども思ってなかった様子のゆうりは
不意をつかれたように、瞬く間に顔を赤く染める


「柳(やなぎ)のもいいけど
俺的にはあんたの方が好みだ」

「…へ…」

「悟、まなぶが呼んでる」

「お~」


つゆき先輩に声をかけられ
悟先輩は去っていった


「悟先輩、本当にストレートに
気持ちを言ってくるんだね
でも、嫌な感じしないのがすごい」


人によっては引かれそうな言動でも
先輩ならそんなふうに思わない

さっぱりとした彼の人柄の賜物だろう


「…」

「ゆうり?」

「…」


話しかけても返事がない


「…」


ゆうりは手で口許を覆いながら
へなへなとその場に座り込んだ


「へ?ゆ、ゆうり?」

「…」


具合でも悪くなったのかと慌てて
しゃがみこんで顔を覗きこむ

さっきよりも赤く色づいた表情と
少し潤んだ瞳に、目を丸くする



…………あれ…

………これは、もしかしてゆうり…



「……ゆうり、悟先輩意識した?」



……。



「…………私って、単純なのかな」





「……意識した」