きっと、最初から


出会った時から、この人が好きだった



自分と同じ

だけど違うこの人に



惹かれて、焦がれて




何度も『もう一度』を願った





気づかなかった


気づきたくなかった


好きだって認めるのが怖かった





だけど、今は




……この人が好き



大好き



はっきりそう思える



その気持ちを大事だと


かけがえのないものだと思える




いつだって


どんな時だって


誰よりも


何よりも


私を幸せな気持ちにさせてくれる


嬉しさやあったかさ、安心をくれる




この人の傍に


これからもずっといたい





「……ひさとさん、私……」




『ひさとさんが好きです』




そう口にしようとした瞬間



何かに気付いた様子のひさとさんが
目を見開いて、叫んだ




「いろは!!!!」




同時に眩しい光に晒されて

あたりが一気に明るくなる



「……え?」



ものすごい勢いでこちらに迫り来るトラックが
視界に映る


眩しい光とうるさく鳴り響くクラクションの音が
近づいてきて




その後に強い衝撃




耳をつんざくような激しい音



何かが割れるような


勢いよく壊れるような




ガソリンと、煙のにおいが広がって




真っ白で静寂に満ちていた世界に



飛び散る音と色




なにが起こったのかしっかり確認する暇もなく




体に強い衝撃を受けた私は





そのまま意識を手放した