ことほぎのきみへ

「なぁ。誰かあのバカップル止めてくんね?
このままだと永遠に道端でいちゃつき始めるぞ」


見慣れているのか
悟先輩がげんなりとため息をつく


つゆき先輩はめんどくさいのか
関わりたくないのか
ふいっと目をそらす

一樹とゆまちゃんは
なにやら二人でスマホを見ながら話してるし


「分かりました」


ゆうりがやれやれと肩をすくめて
まなぶ先輩から亜季を引き剥がした


「はいはーい。そこまでー」

「あー、ゆーちゃん何するの~
嫉妬は醜いよ~」

「うっさい、だまれ
…まなぶ先輩、旅館の方ですよね
紹介してください」

「ああ、ごめんごめん
こちら、弦(ゆずる)旅館の女将、弦 歩さん
俺の親戚のぎりぎりお姉さん」

「ぎりぎりは余計!
改めまして、弦 歩です」

「お世話になります」


ぺこりと頭を下げるゆうりに続いて
皆も頭を下げる

歩さんは笑顔で頷いた


「お世話致します
じゃあ、皆車にどーぞ」



今回


まなぶ先輩の親戚が経営してる旅館に
お世話になることになった

海の近くの老舗旅館に
格安で泊めて貰えるなんてありがたいことだ

わざわざ駅まで車で迎えにも来てくれて


挨拶もそこそこに
歩さんに促された私達は
そのまま車に乗り込み旅館に向かった