「……実感は湧かないけど……
でも、すごく……すごく、嬉しい…」


少し涙ぐみながらも
本当に嬉しそうに笑いながら話すゆうりに

亜季もゆまちゃんも私もみんな笑顔を浮かべる




「色々、不安もあるけど頑張る」

「大丈夫!悟君、好きな子には激甘だから!」

「それに先輩はすごく優しいし」

「うん。きっとゆうりを大事にしてくれる」



悟先輩になら安心してゆうりを任せられる

あの人ならゆうりを泣かせたりしないって
たくさん笑わせてくれるって確信できる


大切で大事な友達

その友達が
ずっとずっと求めていたものを
欲しいと願っていたものをようやく手に入れた

自分の事のように嬉しい



「……いろはは?」

「へ?」



微笑みながら
テーブルの上に並べられたケーキに手を伸ばせば

ゆうりがちらりと私を見て言う


「あの時、一緒にいた人がひさとさんなんでしょ?」

「う、うん」

「なんか、すごくいい雰囲気だったって
クラスの子が騒いでたよ」


がしゃんっとお皿を落としてしまう


っ……よ、良かった……
お皿、割れてない……


テーブルの上に落としたお皿が割れてないことにほっとしつつ



「……」


ゆうりの言葉に一気に体温が上がる



「あ、私も聞いたよ!
いろちゃんがイケメンといちゃいちゃしてたって」

「い、いちゃいちゃっ?」

「ああ、そういえば一樹も
いろはちゃんを巡って殴り合いの喧嘩があって聞いたって……」

「え、えぇ?!」


なんだか事実と異なる噂が出回ってる……