ことほぎのきみへ

皆で話していると時間はあっという間

目的地に着いた



「人すごいね」

「だな」


ゆまちゃんが周囲を見渡して圧倒されてる

小柄な彼女が人波に流されないように
さりげなくガードしながら一樹が同意する


……確かに人すごい…


ここは結構有名な観光地

夏休みと言うこともあって流石に駅周辺
往来は主に観光客だと思うけど、人で溢れてる


「まなぶ~!」


駅近くの駐車場の前に立っていた女の人が
こっちに向かって大きく手を振っている


「歩(あゆむ)さん
お久しぶりです。お世話になります」

「久しぶりね!大きくなってまあ」


久方ぶりの再会のようで
駆け寄るなり二人とも嬉しそうに言葉を交わす


「こっち、後輩と俺の友達」

「あらあら、女の子もつれて
やるわね~」


まなぶ先輩の後ろに並ぶ私達を見て

歩さんと呼ばれたその人は
ちゃかすように、まなぶ先輩の肩を叩いた


まなぶ先輩は亜季の手をとって

まばゆい笑顔で歩さんに言う


「ちなみにこの子、俺の彼女」

「はあ?!彼女!?」

「はい。彼女の宮(みや)亜季です」

「…嘘でしょ。あのまなぶに彼女…
すべてにおいて可もなく不可もない
ど平均のまなぶに…」


……まなぶ先輩、微妙にけなされてる


まなぶ先輩はそんな事意にも介さず
歩さんの前で堂々と胸を張っている


「かわいいだろ?」

「まなぶ君もかっこいいよ」

「…亜季」


のろけるまなぶ先輩に
亜季がとびっきりの笑顔を向ける


一気にピンク色の空気