……認めたからだと思う


ひさとさんが好きだって

1番、大事で大切で

特別な相手だって



ひさとさんの前ではなんとか平静を装っていたけど……

それでも
どうしても少し表情や声に出てしまって

勘の鋭いひさとさんは私の変化にすぐ気付いて
前と様子の違う私をすごく心配していた

そして、その理由を
自分のせいだって勘違いしていた


……いや、まあ…
ひさとさん絡みなのは確かなんだけど……
当事者ではあるんだけど……



『……俺があの日、きみを巻き込んだからだよね』



酔って寝ぼけて私を抱き締めたこと

怖かっただろう
嫌だったろうって気にしてる

自分の過去を話したせいで

私がそれを引きずって
気に病んでるって思ってる


……私を、泣かせたって後悔してる



それは違うってちゃんと伝えた
ひさとさんのせいじゃないんだって

でも、ひさとさんはあの日の事をずっと気にしていて

私とは違って表情とか声には出ないけど
ほんの少しだけ私から距離をとってた


自分の過去の話や
大学での事、絵の事を

話さなくなった



「…あ」


はっとしたように小さく呟いて
掴んだままだった手を離したひさとさん


「ごめん」

「…だ、大丈夫です」



……こんな風に
私に、触れないように意識するようになった