……ゆうりと話した時に

私はひさとさんとの時間を失うのが怖いって
ひさとさんと会えなくなるのが怖いって

思った


だけど、それを『特別』だからだって


思いたくなかった


気付きたくなかった


知らないままでいたかった



だけど……



……



「……ゆまちゃん、私、どうしたらいい……?」



うつ向いた視界の先

制服のスカートの上に

次々小さな水溜まりが出来ては
滲んで消えていく


胸に抱えてた恐怖が外に溢れる



「……怖い……
拒絶されたらって……
なくしてしまったらって……思うと…」


私の気持ちを拒絶されても
受け入れてもらえたとしても

どちらにせよ

失う痛みに苛まれる



たくさんの可能性や未来が頭を過って

怖くて仕方なくなる



「それでも、好きな気持ちはなくならない。
……そうだよね?」


「…」


「ずっと、傍にいたい人なんでしょう?
その人に傍にいてもらいたいんでしょう?」


私の隣の席に移動して
小さく泣く私の背中をあやすように撫でながら
ゆまちゃんは優しい声のまま私に語りかける



「一緒に生きて欲しい相手なんだよね?」


「…」


「なら、気持ちを伝えないと」



私の内心なんてお見通しのゆまちゃんは
疑問符をつけながらも
私の返事を待たずに、そう言葉を寄越した

優しいけど力強く