まだ20分くらいしか経ってないのに


何この親密度


もうみんな仲良くなってるじゃん!、


やばい、無理無理。


トキ「あ、私トイレ行ってくる。」


もう、帰ろう。


え、



...



あ、雨。


最悪傘なんて持ってきてないよ...。


まあ、いいや。早く帰れるんなら


それでいいや。


お金もソラに渡したし、大丈夫だよね。


カラオケの店員に礼を行って


帰ろうと


した。


アオ「おい。お前前が見えんのんか。」


トキ「え、え、ええ?」


アオ「雨なのにどうやって帰るんだよ」


トキ「いや、まあ、それ...なりに...。」


アオ「はぁ。送ってやるよ、待っとけ。」


トキ「あ、いや、大丈夫です。」


そう言ったのにも関わらず、


アオくんという人はカラオケボックスから


カバンを持ってきて、私に待ってろっと言って


どこかへ行った。


アオ「ほら、ん。」


そう渡されたのはヘルメット。


アオくんが股がっていたのはバイクだった。


え、これ全く雨どうこうの問題じゃなくない?


とも思ったけど、


相手は凄い怖そうな顔をしているやつだ。


そんなこと言えたもんじゃない。


アオ「乗れ。」


顎で後ろの座席を指した。


私はバイクなんか初めてだから、


後ろに乗ったはいいものの、


その後どうすればいいのかなんて


分からなかった。


すると、アオくんは、


私の手を掴み、アオくんのお腹の方に当てた。


意図的ではないが、初めて男の人に


ぎゅうってした。


雨だから、寒いはずなのに、


アオくんの背中の温かさを感じた。


アオ「お前、あー、トキちゃんだっけ?」


トキ「あ、はい。そうです。」


アオ「トキちゃんはアイツらみたいな女子とは


合わないんじゃない?」


私の最近の悩みを代弁してくれたみたいで


少し戸惑ってしまった。