はじめては。

「初めまして!」
カンナが挨拶したのは、ミオのお客さんの
トキさんだった。

「ミオちゃんの友達ね!今日はよろしくね」

トキさんは、雑誌編集に関わる仕事だから、モデルさんともよくお話したりする、などと言っていた。
今となれば、安くで私達を買うための、大人の汚い嘘だったのだろう。

「モデルさん抱いたりもするから、君たち2人で2万ね!1万ずつできるよ!」
トキさんは、自分はモデルともできるのに、君たちみたいな子を買うのだから、1万ずつで充分でしょ?と言っていたようなものだった。

それでも私達は、断ることもせずに1人ずつ股を開いた。
レイプとは違う、好きじゃない人とする事の不快さ、病気や妊娠の心配、そんな初めて感じるものも、ミオがいれば怖くなかった。

何回2人で出会い系を開いただろう、何回同じ男を共有しただろう、何回2人で病院に行っただろう、何回2人で妊娠検査薬をしただろう。

わからない、ただ2人でいれば怖くなかった。