【短編】キミに伝えたい好きがある

「聞いて、拓くん、遼ちゃんがおかしいの。アキちゃんにひどいことするんだよ」


拓くんに助けを求めたら、驚いた顔をされた。


「え?あー、それはだなぁ」


私達の顔を交互に見ながら、一瞬でこの状況を理解してくれたような拓くん。


「まあ、アキが悪いから仕方ない」


だけど、彼は耳を疑うようなことをきっぱりと言った。


何言ってるの?拓くん。


「どうして?拓くんまで」


「だから、それは」


「拓、もういいよ。富田には言わなくていい」


何か言おうと口を開きかけた拓くんを制して、遼ちゃんはグラウンドに足をむけ歩きだした。