【短編】キミに伝えたい好きがある

大声で怒鳴ったら、遼ちゃんがその瞬間悲しそうな顔をした。


唇をキュッと結んで俯いてしまう彼を見たら、いくらなんでも言い過ぎてしまったことに、ようやく気がついた。


どうしょう、何かフォローしなきゃ。でもでも。


だけど、強く言ってしまった手前、ひっこみがつかない。


「おーい、何してんだよ。練習戻らないとドヤされるぞ」


お腹の脂肪を揺らしながら、幼なじみの拓くんが、走り寄ってきた。

そのふくよかな丸顔を見たらちょっとホッとした。

救世主きたー。

「なんだよ、喧嘩か?」