【短編】キミに伝えたい好きがある

「遼ちゃん、わかるように説明して、どうしてアキちゃんをいじめるの?」


「は?何言ってんだよ、むしろいじめられてるのはこっちだろ。こいつはいつも先輩をからかって」


全然反省の色すら見せない遼ちゃんを、睨みながら、背中に隠れるアキちゃんを見ると、手で顔を覆っている。


そして、なんとそのまま肩を震わせてシクシクとすすり泣きはじめた。


そんなアキちゃんを見たら、遼ちゃんへの怒りがとうとう沸点に達してしまった。


「ちょっと遼ちゃん、最低だよ。
女の子を泣かせる遼ちゃんなんて大っ嫌い。


謝ってあげてよっ」