【短編】キミに伝えたい好きがある

女子に手をあげるなんて、最低だよ。


そんなのいくら遼ちゃんだって許せないよ。


頭にカーッと血がのぼって、遼ちゃんの背中をポカポカとグーパンチで何回も叩いた。


「遼ちゃんのバカバカ、わからずや、DVパワハラオトコー」


ありったけの力で叩いたら自分の手が痛くなってきた。けど彼はビクともしない。



「久我先輩、離せよ、服が伸びるだろ」


アキちゃんは、低い声で言って遼ちゃんの足に蹴りを入れた。


「・・っ」


一瞬ひるんだ遼ちゃんの手を振り払う。


え?アキちゃん、つよっ。


「奈帆先輩、助けてっ」


私の方へ駆け寄るアキちゃんを、急いで背中に隠した。