【短編】キミに伝えたい好きがある


彼はアキちゃんの方へ近づくと胸ぐらを掴んで持ち上げる。


小さい彼女が、宙に浮くんじゃないかってくらいになり、ギョッとした。


だ、ダメ、絶対、女の子にそれも後輩に向かって暴力を振るうなんて。


目の前にいるのが、ほんとに私の大好きな遼ちゃんなのか信じられないくらいだ。


「待って待って、やめて、お願い遼ちゃん」


「富田はあっちにいってろ」


「いやだ、いかない、遼ちゃんどうしちゃったの?こんなの遼ちゃんらしくない」


「うるさい、富田はなんにもわかってないだろ。もっとよくこいつを見ろ」


う、う、うるさいですってー?