遼ちゃんは、普段からクールであんまり甘い雰囲気にはならないんだ。


好きって告白したのも私からだし。


「あ、またいるよ、あの子達」


フーッて深いため息がでる。


商店街のパン屋さんから出てきた他校の女子3人組が、私達を見てコソコソ話してる。


「呆れた、フラれたのにしつこいんだから」


小さな声で文句を言う私を、彼は困ったように見つめる。


3人の女子達のうちの1人が、先週、遼ちゃんに手紙を渡してきたのだ。


それもなんと、私と一緒にいるときに。


その子は、清楚な雰囲気の可愛い子で。