【短編】キミに伝えたい好きがある

と、思ったその時


「富田、何やってんだよっ」


怒ったような鋭い声がして、後ろから腕を引っ張られアキちゃんと引き離された。


あんまり強い力だったので、よろけて転びそうになる。


「え?遼ちゃん」


芝生を転がりそうになる私を遼ちゃんが、抱きしめるように支えてくれた。


でも、彼の瞳は私を睨んでいて、こんな怖い顔を見たのは初めてだった。


え、どうしたの?遼ちゃん、何を怒ってるの?


怖くて一瞬なんにも言葉がでてこない。


ピリっと張り詰めたような空気。


彼はアキちゃんの方へ向きなおり強い口調で言った。