遼ちゃんがどれだけ真剣に部活に打ち込んでいるかは、彼女の私にはわかる。


だから、なるべく彼の邪魔はしたくなかったんだ。


遼ちゃん、カッコいい。


今日は久しぶりにサッカーをする彼の姿を見て、胸が高鳴っていた。


まるでボールと一体になったみたいにドリブルする彼の真剣な眼差し。


ゴールを決めた時の、嬉しそうな笑顔。


長い手足に、引き締まった肉体。


首筋を伝う汗が、ドキドキするくらい色気がある。


彼に釘付けになっていて、息をするのも忘れてしまいそう。


「奈帆センパイ、なにニヤついてるんですか?」