同じクラスの拓くんは、何を隠そう私と遼ちゃんが付き合うことになるきっかけを作ってくれた人で、いわば私達の恋のキューピッドなのだ。


拓くんは私にとっては幼なじみで、遼ちゃんにとっては親友。


私達は、拓くんを介して少しづつ仲良くなっていったんだ。


「聞いてよ、拓くん、遼ちゃんたらひどいんだよ、隠し事するんだよ」


「富田」


拓くんに、泣きつこうとしたら遼ちゃんが慌てたように私の腕を引っ張る。


そのまんま、ストンと彼の腕の中に閉じ込められた。


「拓、なんでもないから」