抱きしめ返そうとすると、

美夜がすっと離れる。

え。

「お、お風呂入ってきます!」

えぇ〜俺の手は宙に浮いたまま。

美夜がまたパタパタとスリッパの音をさせて部屋から出て行く。

美夜め、やってくれたな…

と思いながら一人でビールを開ける。

するとまたパタパタと音がして、

「おつまみ出し忘れました!」

と冷蔵庫を漁って美夜がトマトとチーズを使っておつまみを作ってくれる。

「ありがとう。いい酒飲めるわ。」

お礼をいうと、美夜がこちらを見る。

上目遣いになってる。

動かない美夜に首をかしげる。

…?

なんだと思いながら頭をポンポンとして、

どうした?って口を開こうとすると、

満足げな顔をしてお風呂に向かっていった。

ん?もしかして、頭撫でて欲しかった…のか?

かわいすぎ…