会計を済ませて、

店長にもう一度挨拶して、

美夜に挨拶しようと見渡すけどいない。

「白石なら帰りましたよ。」

え。

クロくんに少しぶっきらぼうに言われる。

あぁ、この子は間違えなく、

美夜のことが好きなんだろうなぁ…

そう思って、

「ありがとう、急いで帰ることにするよ。」

と少し大人気ない攻撃をしてしまう。

クロくんはこの攻撃に気づいたみたいで

目を少し細める。

ご馳走さま、と声をかけて、

店を出る。

「晴翔くん、どうせだから買い物とか付き合ってよ!晩御飯は奢るよ!」

「あーいや、帰る。今日はありがとう。あと…ピアス…ああいうのもうできればやめて」

目を見ていうと、

愛菜が固まる。

申し訳なさはあったけど、

背を向けて歩き出す。

早く美夜に会いたくて、

少し早歩きになる自分がいた。