「フレンチトースト…」

彼女がイスに座ってボソッとつぶやく。

ん?嫌いだったか…?

「嫌か?」

「あ、いえ、大好きです…。いただきます…」

もくもくと食べ始める。

コーヒーを渡した時にも砂糖を入れて飲んでいたから、甘いものが好きなのかもしれない。

高3と聞いて驚いたが…

どうみても大学3年くらいかと思っていたが…

その辺は年相応で可愛いと思う。

「なんて呼べばいい?」

彼女はすぐに顔を上げて俺をじっとみる。

「え…なんで…」

え、なんでとは、なんでだ?

呼ばれたくない…?

「だってこれから一緒に住むなら名前も呼ぶだろう?」

彼女は目を大きく見開く。

「え…一緒に…?え?」

え。

「だって、家帰りたくないんだろ?あんな形で歩いてたってことは行くとこも決めてなかったんだろうし…」

彼女は何度も目をパチパチさせる。

…可愛いな。