「怒られないのか?」

え。

怒られる?

誰に。

きょとんとしてしまう。

「この前の人…」

「え!あぁ、椎名さんは今日ご飯いらないっていうから大丈夫だよ!」

そこまで話して固まる。

「白石。どういうこと?一緒に住んでんの?あの人と。」

やってしまった。

バイト受かって調子に乗ってた…

「え、っと…」

「行く。」

「え?「ご飯行く。何がいい。」」

私は何でもいいよ、ご馳走するんだし、と答えると、

クロくんは近くのファミレスを指差す。

え、いいのかなファミレスで。

カフェとかでも大丈夫なのに…

クロくんの後を追いながら心の中で思う。

ファミレスに入って、

ご飯を頼むとクロくんが口を開く。

「で、一緒に住んでんの?やっぱ、付き合ってんの?」

「あー…うーん…」

私は触れられたくないところを隠して話す。

「訳あって居候させてもらってるの。付き合ってないよ。クロくんは部活あるのにバイトってすごいね…」

話を変えると察してくれたのか、

バイトの話をしてくれる。

「あそこは親戚がやってて、小遣い稼ぎに暇な日に入ってるだけ。店員も少ない、俺と白石とあとは親戚と親戚の奥さんだけ。」