昨日彼女はあのあと泣き疲れたのか、
飲み物のお礼を言って
すぅっと眠った。
朝ご飯の準備をしながら彼女が目覚めるのを待つ。
準備が終わっても起きてこなかったので、
様子を見に行く。
控えめにノックをしてドアを開けると、
ベッドにまだふくらみがあった。
なんだか愛しくて頬に触れたくなったが、
昨日の彼女の怯え方を思い出す。
綺麗な寝顔…
その寝顔に傷があるのが痛々しい。
…少しは身体も心も休まっただろうか。
「おはよう、朝だよ」
声をかけてみる。
身じろぎして、彼女の目がゆっくり開かれる。
彼女は驚いた顔をして、そのあと少し考える。
昨日のことを思い出したのか、
「あのっ、ベッドお借りして…ごめんなさい…」
と、小さい声でいう。
「ちがうでしょー、おはよう。」
もう一度彼女を見ていうが、
彼女はキョトンとしている。
「おーはーよー」
「え…あ…おはよ…ございます」
「ん、よし、おはよ。ご飯作ったけど食べてくれる?」
と笑う俺に、不思議な顔をしながら、
コクンと1つ首を縦に振った。