私は椎名さんに自分のクローゼットを見せる。

私の服は全て同じ人が作ったもの。

椎名さんは、

「へぇ。」

と興味深そうに、

服を触ったり、裏側をみたり、している。

タグをみて、

「聞いたことないな…こんないい服作ってんのに…」

と小さくつぶやく。

しばらく考えるような仕草を見せ、

ニヤリと笑う。

「ありがと、美夜。ごめんね、行こうか。」

何事もなかったかのように、

外に出る準備を始めて、

私はきょとんとする。

え。

何だったの??

混乱していると、玄関から椎名さんの声が聞こえて、

慌ててカバンを掴んで後を追う。

何だったんだろう…。