「あー…ありがとう。」

いつのまに…

昨日みんなは酔いつぶれて、

リビングでそのまま雑魚寝していたし、

俺は一人で風呂に入って、ベッドで寝たけど…

寝てる間に入ったか、帰る前のドタバタしてるときに入ったか…

何してくれてんだ…。

自分からあれこれ言うと言い訳として捉えられそうだし、

そもそも美夜は別にどうでもいいのかもしれないし、

どう切り出そうか悩んでいると…

「ピアス片方無くすってあるあるですよね〜」

と、さしてきにする様子もなく美夜がまた掃除に戻っていく。

え。

それはそれで…複雑…

やっぱ距離が縮まってきたとはいえ、

そういう関係の距離ってわけではないんだな…

まぁ美夜が安心できる場所になれればなんでもいい…と思いつつも、

やっぱ欲が出るなぁと

小さくため息をついた。