エレベーターに乗った瞬間、
頭をポンポンされる。
「ただいま、ごめんね、帰ってきたのにいきなり色々我慢させちゃって。」
っ…
目が潤んでくる。
「いえ…」
「ロールキャベツ明日美夜帰ってきたら一緒に食べよう?今日はこれ、ご飯にはならないかもだけど、美夜にお土産で買って帰ったから4人で分けて?」
あ。ロールキャベツ…気づいてたんだ。
「ありがとうございます!」
袋の中にはロールケーキや、ご当地のお菓子が入っている。
「ロールキャベツすぐ食べたかったんだけど、あいつらがまた美夜に質問ぜめするのも嫌だし、横取りされるのも嫌だし…美夜の分もあったから、一緒に食べたいって待っててくれたのかなって。全然お詫びにならないけど、今度は俺が待ってるね。」
美夜が作ったものなんだけどさ、と言いながら、
椎名さんが申し訳なさそうに言ってくれる。
「ありがとう、ございますっ」
少し堪え切れなくて、
涙をぬぐいながら、
横を並んであるく。

