「あのっ、湊に、」
「それ選ぶと思ってたけど、なんか実際選ばれると腹たったからなし。俺が送る。美夜おいで、行くよ。」
私の話も聞かずに軽く財布とかをもって、椎名さんがリビングから出る。
皆さんそこまで気にしていなくて、
私がこの家に来る前から定期的に飲み会があってこんなに椎名さんは自由に抜けたりしてたのかな。
「「行ってらっしゃい〜」」
と、手を振られる。
「美夜ちゃん、おつまみありがとね!騒がしくてごめんね、気をつけてね〜」
と恭介さんが手を振ってくれる。
私はお辞儀して、
「お騒がせしました、今日は上手に挨拶できずにすみません…」
と皆さんにお辞儀して、リビングから出る。
一瞬目に入った愛菜さんの目はすごく怖くて、
見ないふりをしてしまった。
玄関に置いていた荷物は椎名さんが持ってくれていて、
置いていかれないようについていく。
椎名さんはエレベーターまでずっと無言だった。
怒ってる…?

