ホットレモンだ…

はちみつの甘い香りとレモンの爽やかな香り。

「あ、ココアとかのがよかったか?」

自分のコーヒーを手にしながら彼がいう。

私は首を横に振って、

口をつける…

美味しい…

あったかい…

自然に涙がこぼれた。

止まらない涙。

「ごめんなさっ…美味しいですっ…」

慌てて取り繕うとすると、

「ん?よかった。」

ふっと優しく彼が微笑んで、

自分の着ていたカーディガンを優しくかけてくれる。

そのまま触れることなく、

私に背を向けてベットに腰掛ける。

…。

その優しさと暖かさが心に染みる…

部屋には私がすすり泣く声と、

お互いの飲み物を飲む音だけがした…