「ごめんな、いきなりで。」
「あ、いえ…」
椎名さんの後ろについていく。
なんて挨拶するの?
あぁ、パンクしそうだ。
リビングのドアが開かれる。
すると皆さん興味津々に私をみていて、
居心地が悪い…
私は俯く。
「えっと、この子が白石美夜ちゃん。で、こっちのが取引先含めた仕事仲間。」
椎名さんが紹介してくれる。
私は出来るだけ声を出して、
「よ、よろしくおねがいします…」
とお辞儀した。
皆さんがそれぞれ名前を教えてくれて、よろしく、と声をかけてくれる。
覚えきれない…
ふと、ダイニングのテーブルに目を移すと、
買ってきたおつまみやお惣菜が並べられている。
お酒も。
これからここでご飯を食べるのかな?
お茶を出しに行くついでに、お皿に分けてラップしていた料理を冷蔵庫の奥底にバレないようにしまう。
人数分ないし、椎名さんに気を使わせてしまう。
食べて帰らないのかなと思って、
2人分作って待ってたけど…明日にしよう。

