家をでる準備といっても、

リュックしかなくて

すぐに終わる。

いつのまにか私は可愛いパジャマを着せられていて、

これは一体…?

私の着てきた服はどこに…

部屋を見渡してると、彼が戻ってくる。

驚いた顔をしている。

「どうしたの?」

「お世話になりました…あの…服…」

小さい声になる。

「あぁ、さっき、俺の姉が来てくれて、着替えさせてくれたんだ、びしょ濡れだったから…」

そういいながら彼は手にしていた飲み物を私の方に伸ばす。

「え…いやあの…」

「君、熱があるんだよ?」

熱…気づかなかった。

「外はまだ雨だし、今電話もしたからここで休んでいきな。」

迷惑をかけられないと、

私は首を横に振る。

すると彼は私がもっていたリュックを取って、

「没収!はい、布団入って、これ飲みな!」

と、先程私が怖がったからか、

触れずにベッドの方に促す。

リュックには私の大切なものが詰まっている。

私は大人しくベッドに戻って飲み物を受けとった。

「…ありがとうございます…」