「あ、ここ、俺らもう移動するから。4つだよな。」
…誰?
結菜は、
「え、ラッキーだね!ありがとう!」
とタメ口。
まぁ最高学年だから、先輩はいないのだけど。
「白石?どーぞ。」
動かない私に声をかけてくれる。
黒髪短髪の少しクールな印象の彼。
「あ、ありがとうございます。助かりました。」
お辞儀する。
椎名さんとは違う髪質だなぁ。
椎名さんの髪はふわふわしていて、
少し癖のある感じ。
この人のはツンツンしてる感じ。
じっと見ていると、
「えっと、なに。」
と、ちょっと困った顔で聞かれる。
え。あ、見過ぎたのか。
私は首を横に振って、もう一度お礼を述べて、廉斗と湊を手招きする。
ご飯を食べ始めると、
「さっきねー、クロが席譲ってくれたー」
クロ?
誰だっけ。
3人の話を聞きながら箸を進める。